美味しい魚、貝、海苔がずっと食べられるように

 伊勢湾からイカナゴが消え、アサリもハマグリも減り、ほかの魚などの漁獲高は減る一方で、海苔の養殖も色落ちをして成長が遅い。鳥羽の離島の方々の切実な訴えを聞きました。


その事を元に今年3月に伊勢湾再生に関して質問をしました。


県や国の過去に行った調査資料を読むと、様々な小動物が生息する藻場、浅場、干潟が激減したことが原因で、プランクトンの分解能力が減った。その為赤潮や青潮が大量発生したことをうけ、下水道を整備し水を「きれい」にしてきた。

それがこれまでの経緯です。実際水は綺麗になりました。しかしその結果海苔の養殖に必要なリンや窒素などの栄養素も水から奪われ、またそれらを餌にする植物プランクトンや小動物が減り、それを食べる魚が減り、我々の食べる魚が減った。

そんなことが書いてありました。


藻場・干潟・浅場の再生が伊勢湾再生に不可欠ですが、令和3年度までに20ヘクタール造成するという計画は、実は14ヘクタールしか出来ていなかったことが分かりました。


漁業に関係する農林水産部が担当する事業ですが、それだけでは目的達成が難しいことが確認されました。


国土交通省は農林水産省ではありませんが、堤防を作ったり様々な事業で海や川に関わっています。そして既に試験的に国内各所で、防災対策事業実施の際海の生物多様性に資する事業を実施しています。


これを受け三重県の県土整備部に対して2つ提案をしました。


水害を防ぐため、川底に溜まった砂を取ります。浚渫土砂と言います。

これを捨てる場所がなく、いつも費用をかけて運び、捨てています。

この浚渫土砂を使って、痩せていった砂浜を再生し、その先に在ったはずの藻場を再生を須貝対策事業に加えて一手間かけてもらう事が出来ないか。



もう一点

漁港や港をつくり砂浜が無くなりました。経済活動のため当然必要な整備ですが、結果伊勢湾内でも生物多様性が失われ、漁獲高が減ることになります。

そこで、様々な研究が行われ、港の構造物に人口的な浅場を作りプランクトンの分解能力を向上しようという試みが行われ、成功しています。テトラポッドのような消波ブロックもわかめや海草などが付着しやすいような素材を使うことで、小動物が生息し魚が集まってきています。「生物共生型構造物」と言います。これも採用して欲しいと要望しました。



3月の質問で当時の部長からは

「海岸法に基づき海岸保全基本計画の見直しを進めているので、土砂の活用、生物共生型の構造物の整備についても議論していく」という答弁を頂きました。


年度が替わり部長も替わった関係で、改めて、海岸保全基本計画についてどのような議論がされるのか確認をしました。


この基本計画は令和5年から令和7年にかけて見直しを進め、海岸の保全の事項に加えて伊勢湾再生の取り組みに関しての項目も加わるとのことでした。記載内容に関しては環境保全の面から有識者にも加わって頂き議論をする事になるそうです。


基本計画に文字として残すことは、部長が替わり担当職員が変わっても、事業が継承される根拠になるので、とても重要なことです。

県土整備部による伊勢湾再生の取り組みが他部局連携の元進むことを期待しています。

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