海岸から砂がなくなっている

御殿場海岸の浜痩せの実態
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浜が痩せています。全国各地で起こっている問題です。

波によって砂浜が削られ海岸線が後退していく現象です。

(画像1. 石などを置いて波を防ぐ事で浜が削られることを防いでいるようです。結果削られた下層が低くなり、削られていない上層との差が生まれ崖のような段差が出来ています)

津の観光名所の一つ御殿場海岸の浜の痩せもひどく、過去に事業者さんから要望を受けていました。

浜の後退が進めば浜茶屋がなくなるだけでなく、堤防の防波能力にまで影響を及ぼしかねません。

津の海岸は市外からの観光客が多く、津市が確実に外貨を稼ぐことが出来る優良な資源の一つ。しっかり整備することは元より、更なる収益化も実現したいところです。

土台にあったはずの砂がえぐられている
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浜痩せが起こる原因は簡単にまとめると次の通りです。
  • 水害から人を守る治水のため、農業用水のため、上水道の水源のためなど、様々な理由でダムが造られる。
  • 水がせき止められ流量が減り、同時に砂及び栄養分が山から海に下りなくなる。
  • 結果浜が削られ痩せていく。

(画像2. 過去に設置された砂浜の上に作られたコンクリートの階段です。砂浜が削られた結果コンクリート土台部分がえぐられ中が見えてしまっています。)

砂を人口的に浜に移動させれば良いのでは?と当然考えるでしょう。
これが行政的には「海洋投棄」と捉えられ、なかなかハードルが高いのです。

調べた結果、砂の粒の大きさがそろっている必要があったり、ゴミなどの除去、併せて浜を利用する漁協等からの許可や要請が必要などクリアするハードルはありますが、川などから浚渫した土砂を浜に戻すことは可能だという事が分かりました。

浚渫した土砂を浜に戻すことが出来れば投棄場所を確保する為の費用が減ります。
実際水防の関係から河川に堆積した土砂の浚渫の要望が地域から上がってきても、浚渫土の投棄場所がなく事業が進まないという事例も過去にありました。


安濃川に堆積した砂
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河川に堆積した土砂を浜へ戻すことは一石二鳥だと考えましたが、治水と水産で部署が違う為か、三重県ではあまり積極的に実施されてこなかったようです。

そこで、他県での事例も含め議会で指摘をさせていただきました。
その後、砂を求める漁業組合をさがし、浚渫した土砂を浜へもどす事業が実施されたという報告を頂きました。
関係者との連携を取りさえすれば三重県でも実施可能だという事が明確になりました。

(画像3. 近くの安濃川の河口です。砂が堆積し、更に植物が生えています。堆積しすぎると川の氾濫に繋がるので浚渫して除去する必要があります。)

先日改めて見に行きましたが、残念ながら津の御殿場海岸の浜痩せは一層酷くなっています。

津の海岸利用者と県、浚渫を求める関係者との協議を行い、一挙両得の事業の実施を勧めることも今後進めていきたい道半ばでやり残したことの一つです。

御殿場海岸に来られるお客さんは日帰りが多い事も伺っています。宿泊をして頂き観光消費額を増やす工夫も実施できればなとも考えています。



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