文化芸術活動を通した障がい者の社会参加の推進

 自民党青年局の全国研修で、NPO法人スローレーベル理事長の栗栖よしえさんという方の講演を伺いました。

その中で2つ、私の琴線に触れる内容がありました。

1つめ「背中を押す、手を引っ張るではない。壁を乗り越えるのは本人であり、本人が挑戦をしようとしたときに、精神的に安心して挑戦できる物理的環境作る事が出来るか。これが社会進出促進の要」

どうしても障がい者支援、弱者支援というと、周りが何かお手伝いをして揚げ無きゃならないのじゃないかと言う視点になってしまう。勿論それが必要な方もお見えだろう。ただ、最終的にチャレンジするかしないかは、本人次第だし、大事なのは本人が飛び込もう!と思える場を作れるかどうかにあるんだと。思わず「なるほど!」と思いました。

もう一つは「障がい者のことを少し知っている人達が社会に多く輩出されれば、社会環境が変わっていく」

これは発達障害に詳しい私の友人の言葉でもあります。ちょっと知ってて、ちょっと気遣いできる人が、いっぱい居るのが良い。

同じ内容の言葉を聞いたときに「やっぱりそうなんだ」と思いました。

そんな環境を作るために、三重で昨年立ち上がった「障がい者芸術文化活動支援センター」が機能してくれれば良いなと思い、質問させて頂きました。

質問ではまず、

Q1. 三重県障がい者芸術文化活動支援センターの機能と役割、1年間の成果に関して伺いました。

コロナ禍ではあったものの13名のアートサポーターを任命した事、「自由から世界が始まるアート2021三重展」を民間団体と共に開催する事、等を伺った。

つぎに、

Q2. 行政としても障がい者にたざずさわる子ども福祉部と文化芸術に係わる環境生活部との部局を超えた連携、それから「障がい者」ではなく「芸術家」に対する施策として、アドバイザーには現役の芸術家さんなどに登録頂き、芸術家として芸術を志す障がい者の方々にアドバイスを頂く環境を整えるべきではないか。尋ねました。

この事に関しても、部局を超えてリソースを出し合って障がい者の文化芸術による社会進出を促進する施策を進め、県内の文化芸術団体との連携を取っていく旨答弁を頂きました。

以下文字興し。

平成30年障害者による文化芸術活動の推進に関する法律が公布、施行されました。


この法律の第一条、目的の最後に「文化芸術活動を通じた障害者の個性と能力の発揮及び社会参加の促進を図ることを目的とす。」と書かれています。

この法律の施行をうけての事だとは思いますが、昨年9月に三重県障がい者芸術文化活動支援センターが設置されました。

Q1. このセンターの機能と役割、成果を伺いたい。

答弁

こども福祉部長
三重県障がい者芸術文化活動支援センターの機能役割成果について。
県では芸術文化活動を通じた障がい者の社会参加を促進し、地域における障がい者の多様な活躍の場を広げていくことを目的として昨年9月に三重県障がい者芸術文化活動支援センターを設置した。このセンターでは障害のある方が絵画や書道、演劇など文化芸術に親しみ表現活動が行えるよう多様な発表の機会の創出、芸術文化活動に関する相談体制の構築、展示や講演などの情報収集、発信を行う事としている。
令和2年度はコロナ禍ではあったが感染防止対策を徹底し、11月に2日間三重県障がい者芸術文化祭を開催し、発表の機会を確保した。また、相談体制の構築に向け、芸術文化活動を行う障がい者や事業所などの相談支援を担うアートサポーター13名を登録するなど取り組みを進めた。
本年度も引き続きアートサポーターの登録を推進すると共に、皆さんのネットワークや専門性を活かして、芸術文化活動に取り組む障がい者の掘り起こしや、障害特性に合わせた創作環境作り、技術向上への支援、作品の魅力を引き出す展示方法の助言を行っていく。
また、みえとこわか国体文化プログラムとして、障害のある方が誰でも参加出来る芸術文化祭に加え、より芸術性の高い自由から世界が始まるアート2021三重展を民間団体と共に開催することにしている。このほか企業や民間団体等と連携し企業の交流スペースなどを活用した作品展示、ホームページでの作品紹介にも取り組んでいく。今後もこうしたセンターの取り組みを通じて広く県民の皆さんに障がい者の芸術文化活動を知って頂くと共に、裾野の更なる拡大を目指していく。



障がい者の芸術活動に尽力されてきた方に話を伺うと、例えば絵であったり陶芸であったり創作物を作っている障がい者の方々ないしはその周辺の方々は、各種の展示会への出展、出品の機会の確保を望んで居られるようです。

三重県には例えば私の家内も所属している三重県洋画協会といった団体があります。ここのに所属する方々は画家や芸術家として既に経験をお持ちで成功して見える方です。
どのような画壇に登録し、どのような公募展に出展して、どんな賞を目指して、どうやってステップアップしていくか、よくご存じです。

勿論障害者ではありませんが、文化芸術活動の専門の方々です。
特に作品を製作し展示をしている障害をお持ちの方々のニーズに応えられるのは、こういった文化芸術活動の専門家なのではないでしょうか。

また、製作技術の向上のアドバイスなども創作活動をしている障害者および周辺の方々が欲しているサポートだと伺いました。

表現技術の面での具体的な指導などと言ったニーズに応えられるのも、やはり既に文化芸術活動で成果を上げられた方々では無いかと思います。

障害者による文化芸術活動の推進に関する法律も、また三重県障がい者芸術文化活動支援センターも障がい者の文化芸術活動を通しての社会進出を進める為のアドバイザーであったりコーディネーターの育成が、目標の一つに掲げられていますが、三重で活躍されている文化芸術活動の音楽活動や舞台芸術も含めた専門家にこそ協力頂くべきなのではないかと思います。

福祉施策と言うよりはどちらかというと文化事業のウェイトの方が高いと思います。

「障がい者」としてではなく新人芸術家、文化活動家として対応することが、本法の目指す「能力の発揮と社会参加の促進」なのではないでしょうか。

厚生労働省の通知


事実、平成30年6月13日厚生労働省社会・援護局 から都道府県知事あてに通知が出されております。

この通知には「各自治体の文化行政担当部局と障害保健福祉部局が連携の上、文化芸術活動のより一層の推進に取り組んでいただくとともに、貴管内市町村をはじめ、関係者、関係団体等に対し周知をお願いいたします。」と書かれています。

同様の通知が 文化庁より各都道府県教育委員会に対して出ていると、この通知に書かれています。

この通知の三重県の場合ですと、子福と環農の連携が求められているのだと理解しています。

Q2. そこで障がい者の文化芸術活動の向上と社会参加の促進を目的とした、子ども福祉部と環境生活部の連携は取れているのか?
また県下の、各種文化芸術団体と同センターとの現時点での協力の有無、及び今後の対応を伺いたい。

答弁

こども福祉部長
芸術文化に関する関係部局との連携および芸術文化団体との協力関係について。
障がい者の芸術文化活動を推進していくためには芸術文化団体を初め学校や民間企業など福祉の分野に限らず関係者との連携強化ネットワークづくりが重要だと考えている。
その為環境生活部と連携し、県内の芸術文化団体に対して障がい者の活動についての情報発信を行うと共に、アートサポーターへの登録についても依頼するなどしながら今後それぞれの関係者とどのような連携が出来るか、協力頂けるか検討していきたい。
また、各種イベントや商業施設を活用した障がい者の芸術文化活動の紹介や発表機会の提供など他部局とも連携した取り組みについて幅広く検討していきたい。

提案

自民党青年局の全国研修で、NPO法人スローレーベル理事長の栗栖よしえさんの講演を伺う機会がありました。
ご自身が成人して後に骨肉腫を煩い、現在右下肢機能全廃の障害者です。
それまでの芸術活動の経験と障がい者としての立場からアーティストと障害者のものづくりブランド「スローレーベル」を設立するに至ります。
2016年にリオ五輪の閉会式に於いて、障がい者と健常者が一緒に登場するパフォーミングアートを披露しておられます。


この団体、ソーシャルサーカスプロジェクトという企画を運営しており、企画の内容が非常に興味深く注目しています。

ジャグリング、ダンス、空中芸、クラウンといった既に技術を習得している人達が中核におり、障害を持った方達が、健常者と共に習得し、一緒にパフォーマンスをする。

技術を磨いていくプロセスに於いて、健常者と障がい者が危険を伴うパフォーマンスを習得しながら信頼関係を築き、チャレンジ精神が磨かれ、コミュニケーション能力が向上し、自尊心も芽生えるのだと言います。

印象に残った一言が、「背中を押す、手を引っ張るではない。壁を乗り越えるのは本人であり、本人が挑戦をしようとしたときに、精神的に安心して挑戦できる物理的環境作る事が出来るか。」これが社会進出促進の要なのだという話だった。

また、健常者も障がい者と密接に係わることで、プロジェクト終了後も一般社会に於いて、どういった障害の人にどんなサポートが必要が、理解する切っ掛けになると言います。
障がい者の専門家ではなく。でも障がい者のことを少し知っている人達が社会に多く輩出されれば、社会環境が変わっていくのだと言います。

全く似たような意見を発達障害に携わっている友人からも聞いたことがあります。

三重県障がい者芸術文化活動支援センターに於いては、障がい者の社会進出そ即すという目的の為、広く色々な方を巻き込んでいく事に意識をおいて今後の活動に活かして頂きたいと思います。

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