教員による生徒への性暴力根絶に向けて

昨年三重県では3件の教員による児童生徒に対する不適切な性行為による逮捕事案が発生しました。

子を持つ親の一人として、こどもが学校で或いは教員から性的対象として扱われるような事案は根絶せねばなりません。

本年5月に国で新法が成立したことを受け、この運用に関して県の教育委員会に尋ねました。

まず

Q1. 一度剥奪された教員免許を再交付するにあたって、新法で定めれられた審査会のことに関して伺いました。

これから国が具体的な事を文部科学省令で示すとのことですが、全国で統一した基準で、二度とこのような教員がこどもの前に立つことのないように省令でしっかり示して欲しいという教育委員会の見解を聞き、同じ思いである事を確認ました。

次に

Q2. 新法で定めるところの「性暴力等」が児童生徒に対して行われた可能性が発生した場合、その調査を学校や教員だけではなく、弁護士、警察、或いは性暴力被害に関する専門知識を有する方々など、広く専門家の手を借りて行う事を求めました。

今回の新法に於いて児童生徒の人権や特性に配慮する旨規定されたことを受け、専門的な知識を有する方や関係機関の協力を得て一層適切な事実確認に努めていきたい。

という十分な回答を得られました。

今後子供達の為、しっかりと運用して頂きたいと思いますし、私も今後の動向を注視していきたいと思います。



以下文字興し。

 5月21日「教育職員等による児童生徒性暴力等の防止等に関する法律」が国会において全会一致で可決されました。


昨年末教職員免許法の改正を断念する旨の発表が文科大臣から有り、報道され、多くの保護者や関係者が非常に落胆しました。


この事を受け我が県議会においては3月議会で意見書を提出し、全ての議員に賛同頂きました。改めて皆さんに感謝申し上げたいと思います。


同意見書では教員免許法の5条の改正を主眼に置いていましたが、今回成立した法律は、単なる現行法改正ではなく一層よく練られたものになっています。


わいせつ行為により懲戒処分を受けた教員の免許剥奪、データベースの構築、再交付申請時におけるデータベースの閲覧、過去の懲戒事由の調査の義務化といった事務手続き的な内容にとどまらず、本法は1条においてその目的を、「児童生徒等の権利利益の擁護に資すること」と定めています。


2条の定義では「児童生徒性暴力等」とは何かを明確にし、単に「わいせつ行為」ではなく

  • 児童生徒等に性交等をすること又は児童生徒等をして性交等をさせること
  • 児童買春、児童ポルノに係る行為
  • 児童生徒等を著しく羞恥させ、若しくは児童生徒等に不安を覚えさせるようなものをすること

つまり言葉による性暴力も含まれているわけです。

  • 他体に触れること
  • 撮影すること
  • および撮影機器を差し向けること
  • 設置すること

といった事までしっかり網羅されています。


また基本理念

4条の4には

  教育職員等による児童生徒性暴力等の防止等に関する施策は、教育職員等による児童生徒性暴力等が懲戒免職の事由となり得る行為であるのみならず、児童生徒等及びその保護者からの「教育職員等に対する信頼を著しく低下させ、学校教育の信用を傷つけるものであること」に鑑み、


と明記されており

学校関係者による性暴力に対して適切な対処を行わなければ、

学校や教員の信頼を傷づけると事を明記しています。


同じく

4条の2では

教育職員等による児童生徒性暴力等の防止等に関する施策は、 

児童生徒等が安心して学習その他の活動に取り組むことができるよう、学校内外を問わず、児童生徒性暴力等を根絶すること


と本法の目的を性暴力の根絶である事を明確にし、

その為に4条の4において

被害児童の迅速な保護、教育職員等に対する懲戒処分等について、適正かつ厳格な実施の徹底を図るための措置

が必要であるとし、本法の目的を適正に実施するためには


4条の5

児童生徒性暴力等の防止等に関する施策は、国、地方公共団体、学校、医療関係者その他の関係者の連携の下

つまり学校関係者だけではなく広く様々な専門家の力を借りて

「行われなければならない。」

これを「義務」として書いています。

Q1.  さてその上でまずお尋ねします。

第二十二条 

2 都道府県の教育委員会は、前項の規定により再び免許状を授与するに当たっては、あらかじめ、都道府県 教育職員免許状 再授与 審査会の意見を聴かなければならない。


第二十三条 

2 都道府県 教育職員免許状 再授与 審査会の組織及び運営に関し必要な事項は、文部科学省令で定める。


書かれています。


一義的に授与・不授与の決定を下すのは教育委員会であるものの、同審査会の意見を聞かなければならないという義務規定があり、現時点でこの審査会がどのような審査基準で、どんな根拠で審査の末、不授与相当という答申を返すことができるのか、又その答申にどこまで決定権者が従う義務を有するのか又は拘束力があるのか、明らかになっていないません。


教職員免許状再授与審査会の審査の判断基準が、47都道府県で異なるようでは、本県では不授与だったものが、隣の県では授与されるという事態が起こり得、混乱が生じることが予測されます。又、性暴力を行なった元教員が他県で免許を再交付され、本県に移住し就業することができるようでは、本法の性暴力の根絶という目的を達成できるとは考えられません。

国は今後基準を示すという事ですが、この審査会の権限や不授与の根拠など、教育委員会側からの見解を伺いたい。

答弁

教育長
わいせつ行為で執行した教員免許を再交の判断基準等について。児童生徒を守り育てる立場にある教職員がわいせつ行為を行う事は決してあってはならない。
懲戒免職により教員免許が失効しその後三年以上経過してから申請があった場合は、教育職員免許法の規定に基づき、免許状が再授与されることになっている。
今般の法律の制定により児童生徒への性暴力等により懲戒免職となった場合は、執行の原因となった行為の内容を踏まえ、改善更生の状況、その他その後の事情により再び免許状を授与するのが適当と認められる場合に限り、再授与審査委員会の意見を聞いた上で再授与が出来るという枠組みになった。
この事は大きな制度改革であり今後教員免許の授与権者である都道府県教育委員会が大きな責務を担っていくことになると認識している。
一方で教員免許はどの都道府県教育委員会に対しても申請を行うことが可能であり、授与されると全国で効力を有することから都道府県によって授与の判断に差が出ると、子供達が安全安心に学べる環境が脅かされる恐れがある。
このため6月初めに県教育委員会が文部科学省へ行った提言に於いて各都道府県が再授与の可否を適切に判断するためのガイドラインを示すよう要望をした。
再授与審査委員会の組織及び運営に関して文部科学省令で定めるとされている事から、今後も国の動向を注視しつつ実効性のある制度設計となるよう様々な機会を捉え国へ要望を伝えると共に、7月に全国教育長が参加する機会がある為、このような場での意見交換などを踏まえ、実際に省令が制定された際に適切に運用できるようにしていきたいと考えている。


本法18条の(教育職員等による児童生徒性暴力等に対する措置)では、保護者を含めた関係者による学校設置者への通報に基づき、即ち性暴力と疑われる事案が発生した場合、

当該教育職員等による児童生徒性暴力等の事実の有無の確認を行うための措置を講じ、学校設置者、即ち市教委なり県教委に報告する

と書かれている。

また事実の有無の確認を行う際、

児童生徒等の人権及び特性に配慮するとともに、その名誉及び尊厳を害しないよう注意しなければならない

という条文が加えられています。

国会での審議の際「性暴力被害を受けた児童生徒に配慮した調査体制の整備を求める意見」がだされ、これに対し萩生田文科大臣は「調査に当たる専門家の役割や調査協力の在り方、公平性中立性の確保の留意点など、大臣が定める基本指針などを通じてしっかり示す」と答弁しており、このやり取りを反映したものと思われます。

仮に性暴力が事実であれば、心理的負荷を抱えている被害者が、聴き取りによって新たな傷口を負う様なことになってはならない。とても繊細な対応が求められるわけで、経験のある専門家の手を借りる事を前提にした記述だという事は明白だと考えます。


Q2. 基本理念の4条の5にあるとおり本法に定める施策遂行に於いて、

医療関係者その他の関係者の連携の重要性が書かれていることや

18条の「確認の措置」に関する条文にも教職員「等」による事実確認の措置を行うと書かれていること。

また

第9条では(学校の責務)として性暴力の疑いがあった場合は、早期発見、及び迅速な対処の責務を有すると書かれている事をふまえ、

性暴力が行われた可能性が発生した場合、事実確認の措置においては初動の段階から性暴力に関する知識や経験を有するものや、状況に応じて医師、警察、弁護士など様々な専門家など知識を有するものとの連携体勢での対応を求めていると、本法が示していると考えるが、見解を伺う。

答弁

教育長

性暴力等の事実把握については、被害児童生徒や保護者の心理的負担が大きいことからスクールカウンセラーによるケアや、事案によっては医療機関からアドバイスを受けたり、事実確認の進め方についても弁護士から助言を受けたりしているが、被害児童生徒や保護者に対して十分に行き届かなかったものもあった。今回の法律において性暴力の事実確認にあたり、児童生徒の人権と特性に配慮する旨が規定されたことから、今後その趣旨を踏まえ被害児童生徒や保護者の気持ちにしっかりと寄り添っていけるよう専門的な知識を有する方や関係機関の協力を得て一層適切な事実確認に努めていきたい。

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