選挙での成りすまし投票を防ぐために
期日前投票が広がり、便利になりました。投票率向上に一定効果があることも確認されています。
ただ、以前は地域の投票所で、地元の人が座っていて「あ、どこどこの誰々さん」と顔を見て確認することが出来ました。
市役所やショッピングセンターに設置された期日前投票で、顔を見て何処の誰か確認するって無理ですよね。
それで国は、写真付き身分証明書が本人確認のために有効であるという通知を選挙の度に自治体に発信しています。
しかし、投票は国民の権利。簡単に剥奪することは出来ません。身分証明書がないと投票できません。という法律は存在しません。結果期日前投票所ではそこに現れた人が
- 名前
- 住所
- 生年月日
といった基本的な情報を伝えれば、本人であると認める事になっています。
はたして本人確認として充分でしょうか。これらの単純な情報を記憶し、外見がその譲歩と大きく齟齬がなければ、投票できてしまいます。
銀行などでの本人確認の厳格さと比較すれば、期日前投票所での本人確認が随分心許ないことはご理解頂けると思います。
今回は議場で、投票所を運営する県下市町での本人確認の状況を報告頂きました。
最終的には国で法整備をして頂くより他ない事も確認しました。
併せて、本人確認の徹底、及び期日前投票所での宣誓書の簡素化、投票行為の時間短縮を実現する為に三条市が実施している。マイナンバーカードを使った素晴らしい仕組みを紹介し、提案させて頂きました。
以下文字興し。
令和元年5月24日に総務省自治行政局選挙部長から各都道府県選挙管理委員会委員長に当てられた「投票所入場券について」という通知には「投票所又は期日前投票所に選挙人が入場券を持参しない場合には身分証明書の提示を求めることが有効だ」と書かれています。
令和元年の通知は、平成30年の通知と異なり、「身分証明書」の後に具体的に(マイナンバーカード、運転免許証など)と記載されています。
また、「なりすまし投票を行うことは公選法237条に規定する詐欺投票罪に当たるため、投票所入場券を持参した場合でも本人確認のため身分証明書を求めることもありうることから、この旨も周知すること。」と書かれています。
これは公選法33条に定める1人1票制度を前提に、公正な投票環境の整備徹底を求める通知であり、第四十八条の二の2に定める通り、特に期日前投票において、重複投票を防止する措置を講じる義務を有している事が根拠になっていると思われます。
伝統的な投票日に居住地域近くの指定投票所で投票を行う場合は、地域の自治会長さんなどが投票所に詰めておられ、どこ町の誰さんが来た、来なかった、という確認が可能でした。
しかし期日前投票の拡充がすすめられ、投票率の向上という正の成果があった一方、投票所で行われていた伝統的な本人確認が機能しなくなった事を理解することはそれほど難しくないでしょう。
この事実が、国が身分証明書の活用をこれまで以上に厳格に求める通知を出すことになった背景にあるという事は想像に難くないでしょう。
この通知が都道府県の選挙管理委委員会に出され、「貴都道府県内の市区町村の選挙管理委員会の周知を含め、適切に運用されますようお願いします」と書かれていることを踏まえ、
三重県選挙管理委員会事務局として、投票所、特に期日前投票での、本人確認、場合によっては身分証明書の提示がどこまで徹底されているか、把握されているか報告をいただきたいと思います。
私は事前聞き取りの中でこの報告を拝見しておりますので、29市町中最初から写真付き身分証明書の提示を求めている自治体が2。とはいえ所持していなくても、口頭での聞き取りで矛盾がなければ投票を許可しているという事です。
他圧倒的多くの自治体は、宣誓書に住所や名前を記述させる事で、本人確認としているようです。言い換えれば、住所と名前さえ記憶しておけば、年格好など外観に矛盾がなければ投票できてしまうことに他なりません。
Q1. 写真付き身分証明書の提示は義務付けられてはいないものの、現在の本人確認の状況は随分心許ないように思うが、法律に定められた1人1票制度の公正さを確保のため、どのように
「周知と適切な運用」をはかっていくのか、見解を伺う。
答弁
選挙管理委員会委員
投票所における本人確認について
投票は公職選挙法に基づき市町選挙管理委員会の管理の下行われており、投票所の本人確認の方法は投票所入場券を持参して投票に来られた方については選挙人名簿と入場券を照合して行う事とされている。
投票所入場券を持参せずに投票に来られた方については入場券を持参していないことを理由として投票を認めない事が出来ないため、生年月日や住所などを筆記し本人確認を行う事としている。
総務省が国政選挙や統一地方選挙の都度発出する通知文書があるが、令和元年の参議院選挙の際には本人確認の方法として新たにマイナンバーカードや運転免許証など写真付きの身分証明書の提示を求めることも有効であると加えられ、その旨県内市町選管に周知を行った。県内市町では基本的には生年月日などを聞き、本人確認を行っており、それでもなお確認が困難な場合について写真付き身分証明書の提示を求めるなどの対応を行っている。
県選管としても総務省の通知の通り本人確認の方法として写真付き身分証明書の提示を求める事も有効と考えており、選挙時の会議や市町と県との勉強会の機会を活用し、市長選管に対して周知をしていきたいと考えている。
身分証明書の提示は公選法によって義務付けられていない中、これを携帯していな事をもって投票の権利を剥奪することだできるのかといった問題がある事は理解しています。
一方で住所氏名生年月日を記憶していれば本人確認として十分だというのはやはり無理があると思います。入出国時のパスポートでの取り扱いや、銀行での本人確認と比較すればその佐は明瞭でしょう。
ただ、これは法律に係わることですので、今日のやりとりを踏まえて改めて引き続き国に働きかけをしたいとおもます。
期日前投票所で広く採用さえれている宣誓書ですが、投票所での混雑を生む原因にもなっています。
座って、ボールペンで宣誓書に住所、名前、投票日に投票できない理由などを書くだけで、数分を要します。
期日前投票を希望する方々が昼休み、あるいは就業時間後の限られた時間に殺到し、さらに悪天候に見舞われた場合には、酷く待たされ、不快な思いをされたという方の話を随分聞いたことがある。
正確な本人確認と迅速な事務処理二律背反する目的を遂行せねばならない現場において、
実に理想的な解決方法を見出した自治体がある。
三条市はマイナンバーカードを使うことで
本人確認を行うとともに、宣誓書に記載必要な事項をあらかじめ印字して出力し、ここに署名をさせるだけで宣誓を完了させる事が可能です。
これにより職員の事務作業も簡略化され、投票に要する時間も削減され、本人確認も徹底され、三方丸く収める対策を講じているようです。
Q2. 実に有効な手段であり、県下各自治体でも実践を推奨すべきだと思うが、見解を伺う。
答弁
選挙管理委員会委員
県選管としては全国の先進事例の把握に努め市長選管に情報提供したいと考える。
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