選択制夫婦別姓の議論に関して

 

選択制夫婦別姓の導入に関して自民党内で議論があり、賛否両論に分かれている事が報道された。

女性活躍社会が推進され、多くの働く女性にとって、結婚まで使ってきた姓をそのまま使うことが出来ない事によって、煩雑な行政手続きを幾つも処理しなければならないこと、銀行や保険証、パスポートなど切り替えなければならないことなど、多くの障壁がある事は想像に難くない。

これは解決すべき問題であるという認識に全く異論はない。

しかし、その課題は選択制夫婦別姓を導入し、望むものが姓を変えないまま婚姻を可能にする事でしか解決できないのだろうか。

私は折衷案があるべきだと常々考えており、先般稲田ともみ先生のご講演を聞き、全く同意見である事を知った。

たまたま、三重県議会において先輩議員から国への要望を出して欲しいという要請が会派の中で伝えられたので、私もこれを送付することにした。


なお、少々関係があるので私の座右の銘を記しておく。

格物致知誠意正心修身斉家治国平天下

以下陳情内容を記す。


 自民党三重県連青年局長を仰せつかっております、三重県議会議員小林貴虎と申します。僭越ですが夫婦別姓の議論に所見を述べたいと思います。


1. 通称の拡大利用は危険

 平成27年12月16日の最高裁の判断において、結婚後の不利益解消における通称の社会的利用の広がりを認める内容が採用されている。通称は法的に何の位置づけもなく、誰でも自称できてしまうものであり、これを本名と同等の身分証明として利用を認めることは成りすましなどの犯罪を拡大しかねない。結婚後に継続し旧姓を利用したい旨を届け出、これに身分証明としての法的根拠を加え、現在の姓と旧姓の最大ふたつだけに限定することによって、旧姓の継続使用を可能にすべきである。


2. 少子化対策だというのなら根拠を

 女性の社会進出が進み、結婚までの間に一定の社会的地位を築いたため、結婚後姓を変えなければならないことから生じる不利益や、様々な行政手続きの変更などの煩雑さが原因で、姓の変更をためらう人が増えていることは想像に難くない。旧姓の利用に法的根拠が無いことが女性活躍社会の妨げになる事は十分理解できる。しかしその事が原因で結婚を躊躇し、少子化が進んでいるという主張は論理の飛躍ではないだろうか。現実にそのようなケースがあるのだとすれば、どれだけ姓が変わることで結婚をしなかった人が存在するのか、選択制夫婦別姓のみが指摘されている課題の唯一課題を解決する有効な手段なのか、また施策である以上選択制夫婦別姓の導入により少子化が改善するという根拠を示すべきである。


3. 子供の安心

 3人の子供を育てる親としての実感から、子供が無条件の安心できる環境を作る事は子供の心身の発育に多大な影響を与えると確信している。夫婦別姓の議論では姓の変更を求められる親の権利が往々にして語られるが、子供の立場を主張する議論が少ないように思う。誠に残念なことである。


4. 個人の認証はマイナンバーで

 姓名と印鑑押捺による本人確認を行ってきた制度そのものを見直す時期に来ている。同姓同名の存在など、個人を特定する為に「名前」を使うことは時代にそぐわない。マイナンバーカードと生体認証による本人確認の利用拡大こそが、「名前」の在り方の議論を解決するものと考える。


以上4点、お伝えさせて頂きますので何卒ご配慮いたまわりますようお願い申し上げます。


令和二年十二月十六日

自由民主党三重県支部連合会 青年局長

三重県議会議員

小林貴虎

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