パートナーシップ制度に関する関連質問

 本日同じ会派の野口正県会議員が行った、

性の多様性を尊重し誰もが安心して暮らせる三重県づくり条例(仮称)の目指す姿について

という質問に関連して、先般知事提案としてパートナーシップ制度導入に関して発せられた発言に関して質問をさせて頂きました。

野口県議は今策定を進めている、条例のビジョンについて知事に尋ねています。

私の質問の要点は2つ

1. 制度の導入の是非に関して議会で議論の最中であるのに、知事から一定の方向を示す発言があったのは議会の議論を妨げる不適切な行為だと指摘しました。

2. この問題はまず、当事者の課題の解決を念頭に置くべきである。その上でどのような解決方法が良いのか、そこの議論がまだ充分なされていない点指摘させて頂きました。


以下、私の質問と、知事の答弁、それぞれ文字にして示させて頂きます。

野口県議の質問

現在環境農林常任委員会において、性の多様性を尊重し、誰もが安心して暮らせる三重県づくり条例(仮称)が審議されている最中です。

この条例に関しては県内外から注目が集まり、メディアでも報じられています。素案ではパートナーシップ制度の導入を検討するという記述がありましたが、中間案では記述がなくなっている状況です。

パブリックコメントも350を超える意見が出され、多くの方々が注目しています。賛否についても異なる様々な見解があり、難しい取り組みだと感じています。

この性の多様性という事ですが、実に様々な性の在り方があり、ゲイと言われる人の中にも、公にゲイである事を知らせて生活している人もいれば、公言していない人、妻があり子供もいる方、人生の中のどこかの時点で自らの性的指向に気づき、目覚め、変わっていく方もいれば、思春期から一貫していて、他者との違いに悩み、苦しみ、いわれのない嫌がらせを受けたり、虐められたりといった事を経験する人など、状況は多岐にわたり、解決すべき課題がある人もいれば、無い人もいるかもしれません。

さらにはここにレズビアン、バイセクシュアル、トランスジェンダーといった人達が加わり、このカテゴリーに当てはまらない人もみえます。それぞれの枠の中にもさらに多くの異なる価値観を持ち、異なる生き方をされている方も居られるわけです。

当然周りの人も様々な性の在り方を受け入れられるひと、受け入れがたいと思う人もいれば、

性的なことはプライベートなことで職場ほか社会活動とは一切関係のないことでしょうと割り切ることが出来る人もみえるでしょう。

我が会派の中にも、家庭を持つことはとても大事で、子供達には人生設計の中でどのように結婚し、子供を産み育て、かつ社会での活躍とどのようにバランスをとっていくかという事を重要課題として考え、ライフプラン教育こそもっと進めるべきだと考える人もおります。

そんな様々な価値観が存在し、生き方が存在する中で、我々は多くの人達と隣り合わせで住み、生活をしている現実があります。

大事なことは皆がそれぞれに対して一定譲歩しながらも、考え方や生き方、価値観の違いを理由に他者を傷つけることもなく、対立することもなく、或いは考え方を押しつけるわけでもなく、折り合いをつけ、お互いを理解し、認め合い社会が分断されることなく、

極力多くの人が納得しながら物事を進めて行く事、課題を解決していくこと、それこそがダイバーシティ社会なのではないかと思います。

現在制定に向けて進められているこの条例によって、どのような三重県の未来を思い描いているのか、知事の所見を伺いたいと思います。

知事答弁

「性の多様性を尊重し、誰もが安心して暮らせる三重県づくり条例(仮称)」につきましては、これまで有識者等による条例検討会議や各方面への聴取など幅広くご意見をお聴きしながら、議会でのご議論を踏まえ中間案をとりまとめ、パブリックコメントを実施しました。現在は、最終案に向けた検討を進めているところです。

県では、2019年に全国に先駆け「ダイバーシティみえ推進方針」を策定し、一人ひとりを大切にし、多様性を認め合うダイバーシティ社会の実現に向けて取り組んでいます。

この方針では、性別、年齢、障がいの有無、国籍・文化的背景、性的指向・性自認などにかかわらず、「一人ひとり違った個性や能力を持つ個人として尊重され、誰もが希望を持って日々自分らしく生きられる、誰もが自分の目標に向けて挑戦できる、誰もが能力を発揮し、参画・活躍できる」地域社会を描いています。

一方で、性のあり方が多様であることへの社会の理解不足による差別や偏見、また男女のみの性の区分を前提とした社会生活上の制約があるなどの問題があり、不安や課題を抱える方々がおられます。

こうした中で、性の多様性についての理解が広がり、当事者が抱える課題が社会の中で共通認識となり、ご指摘のようなさまざまな立場や考え方を含め、多様な生き方を認め合うことができるようにするためには、職場、学校、家庭、地域などで取り組んでいく必要があり、新たな条例づくりを進めています。

私は、古くからのトランスジェンダーである友人がおり、今も連絡を取り合ったり、ご家族との交流をさせていただいています。みんな一人ひとり違いますが、その違いは、年齢、性別など見えるものだけでなく 、考え方、価値観、生き方などさまざまであり、お互いを理解し、交流し、社会の一員として、分断ではなく支え合う、温かい社会としていきたいと思います。そして、そのような社会は、異なる能力が掛け合わされることで地域にイノベーションをもたらすものとも思います。

県としましては、性のあり方にかかわらず、人権が尊重され、誰もが個性や能力を発揮できる多様な生き方を認め合う社会をめざし取り組むことで、三重県民力ビジョン第三次行動計画の理念でもある、多様で、包容力のある持続可能な社会の実現につなげていきます。

こうした社会の実現に向けては、異なる意見や考え方を包摂しながら、一つ一つ進めていくことが大事です。県民の皆さん一人ひとりが幸福を実感できる三重となるよう、引き続き、しっかりと取り組んでまいります。


小林関連質問
Q1

野口議員の質問「性の多様性を尊重し誰もが安心して暮らせる三重県づくり条例(仮称)の目指す姿について」に関連して二点お伺いしたいと思います。

環境農林常任委員会では先般出された中間案に、パートナーシップ制度の導入に関して言及がなかったため多くの質問が出たと聞いています。

この事に関しては未だ導入すべきか否かという表層的な議論しかなされておらず、制度の具体的な中身に関して踏み込んだ所まで話し合われているとは言えない状況だと思います。かつ我が会派の中ですら賛否が分かれ、議会全体でも意見を二分する内容です。

であるにもかわらず先般の知事提案において突然、県が導入を進めていくかの様に聞こえる発言があり、非常に驚いています。

我々議員が議論をしている最中である内容に対し、知事が一定の方向を示す発言することは議会での議論を全く無視したものであり、はなはだ心外であり不適切であると言わざるを得ません。

まずこの事に関して知事の見解を伺いたいと思います。


知事答弁

パートナーシップ制度については、 これまでの全市町への意見照会やパブリックコメントなどのご意見を踏まえて、 多様性を認め合うダイバーシティ社会をめざす県として 、大きな方向性として 導入したいと表明しました。多くの要望があった中、議論の一層の活性化に向けて、まずは一定の方向性を示し て 今 後の議論につなげたいと考えていましたが、 所管の常任 委員会での審議中であり 、 意見も両論ある中で の表明となり、配慮すべきところがあったと考えています 。

今後、常任委員会 等 での検討にあたっては、様々な考え方があることを前提に 、十分に議論していただけるよう、 より一層、 丁寧な対応に努めてまいります。

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Q2

この問題の本来一番最初に考えるべき、「性的な側面において少数派と言われる人たち、いわゆる当事者の抱える様々な課題をどのように解決していくか」という手法の部分が現時点で欠落しており、

その事が、具体的な内容が見えないまま、導入するか否かという表層的な議論を先行させる現状を作ってしまった思っています。

そして議会だけでなく県民全体を、賛成派、反対派に分断してしまっています。

現在制定に向けて議論されている「誰もが安心して暮らせる三重県づくり条例」は、先の野口県議の質問に対する知事の答弁の中にもあったように、多様な価値観や生き方、考え方を認め合う社会の実現である筈です。

にも関わらず、この条例に関わる議論が原因で賛否二極の対立構造を作ってしまった事は実に残念でなりません。

この事に関しては事実を切り取り、パートナーシップ制度の導入有りか無しか、のようにこれまで取り扱ってきたメディアにも大きな責任があり、この場で猛省を促したいと思います。

因みに私はこの繊細な問題を取り扱うに当たり、文章を事前に準備し、一言一句違うことなく表明し、これを後ほどブログにアップするつもりです。

今回の私の発言に関し、仮に一部切り取ったり、内容を歪めた報道が行われれば即時抗議する準備がある事を申し添えておきます。

その上で、パートナーシップ制度を導入するかしないか、ではなく、どのような課題を解決する必要があり、その為に何が行政に求められているのか、抽出し対応策を練り、検討する必要があると思いますが、知事の所見を伺いたいと思います。


知事答弁

当事者の皆さんの声の中には、 関係を公に認められたいという希望や、緊急時の病院の対応に対する不安 、保険金の受取 などに課題が ありました。解決すべき具体的な 課題へ対応するため 、 パートナーシップ制度 を含めた様々な手法について 一から 検討を重ねていくことで、 当事者の皆さんの安心感や、社会における理解の広がりなど、 その解決につなげたいと考えています。今後、市町と課題を共有しながら議論を深めるとともに、 課題に対して どういうふうに答えていけるのか、さらなる検討を行い、議論を進めたい。

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