バスに自転車乗せられたら良くない?


山口市と広島市に視察に向かった。
総合交通体系特別委員会の委員会視察だ。

正直同委員会に入るまでは「コミュニティバス」だとか「交通弱者」だとか「買い物難民」という関係に全く見識が無く意識もしたことが無かった。しかもこの委員会に所属することが決まったのは私の意思ではなくいろんな「別の事情」が重なって振り分けられたのが実状。
しかしおかげで新しい分野への見聞が広がった。結果として感謝の2年間である。

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山口は人口19万で山口県の県都、周りには下関だとか他の大きな市があって経済的にはどちらかというと取り残された感があり、県庁所在地というアイデンティティと古くから大学があって文教都市という顔で生き残っている。津と状況が似ている。他方広島市は100万都市。財政が厳しいとはいえ政令指定都市。津市とは環境が随分違う。

とはいえこの交通弱者対策という面において両市共に共通しているのは、救済を求める地元の自主的運営のウエイトを重くしているという点。津市のスタンスとは異なる。

行政サービスという物は往々にして住民の自治体に対する依存を大きくする傾向にある。車が使えなくなった、買い物に行けない、だからバスを走らせてくれ、料金は安くしてくれ。要望のオンパレード。それに対して山口市は利用率が30%を切ったら、若しくは収支比率が30%を下回ったら廃止にしますよ。というリミットを初めから設けている。運行スケジュールやバス停の設置などは住民の協議会に基本的に委ねて彼らが自ら非効率な巡回を見直し条件を満たす努力をする。また利用率を上げるための企画として年に1度ないしは2度コミュニティバスを使う観光ツアーを組んで地域内の林檎狩り等に行く事で認知度を上げる努力を地元が率先して行っている。
皆が乗って買い支えをして地域で守っていく交通機関という認識がハッキリしていて、全てを公でやってくれという完全依存と違い自らの責任をわきまえておりバランスが良く取れている。

何でも市でやってくれ、県でやってくれ、国でやってくれ、と言える時代じゃ無くなった。出来ることには限界が有る、予算には限りが有るという事を踏まえて、何所にどんな資金投入することが「生きたお金の使い方なのか」と言うことを住民も利己的で無く、また行政も全体像を捉えて考えていく必要がある。

市側のスタンスとして目を引いたのは、提案する際に必ず2つ以上の選択肢を提示するという姿勢。提案が1つだけだと議論が広がらない。つまり市側が作ったシナリオを呑ませるための協議で無く、本当に協議する姿勢が有って、場合によっては市側が意図していなかった方向に住民の意思が動いたとしてもそれもOKだという考え方。これは、全ての分野において、とは言わないまでも多くの分野において望ましい形だと思う。(余談だけど議会にたいしてだって議論の余地の無いような物を事実上決定事項の様にして突きつけをしてくるからね~。)
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津市は街の構造としてもう随分長い間公共交通機関を使って用を足すという環境が無くなって久しい。住民の意識としても遊びに行ったり買い物をするのにバス使って電車に乗ってという事があまりない。公共交通機関を使って行ける先に、目的を満たしてくれる施設が市内にそろっていない。悪循環から抜け出せない。街の活性と言う事を考えても、人が歩いてぶらぶらできる空間が必要だと良く言われる。歩いて楽しめる空間。散策できる場所。

街に構造を変えるのには時間がかかるが、公共交通の利用の仕方と意識の改革は比較的短時間に出来る。例えばバスに自転車を乗せられるラックをつけて走るバス会社が神奈川や千葉に有る。社内の後部座席に駐輪機能を持たせたバスも有る。

自転車に乗ってバス停まで行ってバス停からさらに自転車。行動範囲と融通が大きく広がる。
こんな政策もありだと思う。

と去年も言ったかな。該当する地域に視察にでも行って三交さんに頼んでみよっかな。前回は「難しいみたいです」という執行部側の説明を受けただけで「あっそう」で終わらせてしまってるからね。







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