2012年10月16日火曜日

流山市:シティープロモーション課

今回の総務在世委員会の管外視察の報告第一弾。
千葉県の流山市に行った。

流山って何所?ってのがおそらく多くのリアクションだろうと思う。正直私もそう。
ただ、職業柄じつは、ここの市議会がFBのアカウントを持っていること、結構開かれた議会だという「噂」は聞いたことがあった。あと、訪れて議場を見せてもらって思い出したのが、スマホ評決。議員が議会に出席するときにログイン手続きをしてスマホを持って入場、起立とか手を上げてでは無く、スマホの画面上の賛成反対ボタンを押して評決をとる方法を採用していると言うことで、新聞にも載ってたはず。そんな有名な市だ。

でも、流山って何所?っていうリアクションはそれでもやはり、我々関東圏外の人間にとっては現状なんだろうと思う。そしてその事を流山市はよく知っていて、そこからの対策がこの「シティープロモーション課」の活動だ。

何よりも素晴らしいのが、このシティプロモーション課、目的、目標、および働きかけるターゲットがものっすごく明瞭だと言うこと。これ戦略としてある種当たり前のことなんだけど、往々に津市の執行部の答弁の中にはみえてこない。そんな思考があるのかないのかは良く分からないが。

さて、その流山。
平成17年につくばエクスプレスが出来ることに先駆けて、町の戦略をたてる。
市長が替わったことも切っ掛けとしてあって、その市長の下シティプロモーションに関しての事業が動いていく。

この市、財政力指数0.94の優良市。もちろん人口16万ちょっとがたたの35キロ平米に住んでるコンパクトシティで、700キロ平米を超える土地に道路や下水道や他インフラやプラントを抱えている津市と単純な比較は出来ないが、地方税の48%を個人市民税が占める町。必然的に「人口を増やそう」という方向性に的が絞られてゆく。

つくばエクスプレスが仕えるようになってからは都心まで20分少々になるわけで、「都心から一番近い森のまち」を軸において他事業を展開していく。

ポイント1:とにかくこの市のシティプロモーションの目標は、そして事業評価の基準は、「どれだけ人口が増えたか」ここに集約される。

広告活動を行ったり、FBやTwitterを使った広報活動もやったり、あと交流人口の増加→定住者の増加という位置づけで、まず一回来てもらおうという導入企画のイベントも行っている。

そして見事にこの8年ぐらいの事業の成果として、世代別の人口の推移が30−40代において見事に人口が増えている。17年から24年にかけて1万2千人が増えている。内7000人が子育て世代だという。1万2千人から7000人を引いた残りの中には60upの定年組も若干あるが、何よりも子育て世代が連れてきた、ないしは産んだ子供達の数も見事に伸びているからだ。

事業が成果を上げているという確実な評価がここに明確に現れている。

さて、欲しいのは子育て世代だが、それも雑ぱくに色々な人が居る。
ポイント2:そんな中で流山市のシティープロモーション課はアプローチするターゲットをDEWKSの30代女性と決め撃ちをしている。

DEWKSとはDouble Employed with Kidsと言うことで夫婦共働きの子持ちという事らしい。それも併せて年収1000万程度の人達にカテゴリーを絞っている。しかも!様々なプロモは女性にターゲットを絞っている。

何故女性なのか?と尋ねると、女性が最終的に決定権を持っているから。という凄く当たり前だけど、市の職員からはあまり聞こえてこない返答に感銘し、驚いた。車を買うときも、家を買うときも、売り手が必ず意識するのは女性、つまり奥さんなのだ。財布のひもを握っているのはやっぱり女性。ここの心をがっちり掴めば残りは自ずとついてくる。

そうして平成22年には都内の主要25駅に大きな広告を掲示。
緑に囲まれた公園で、実際に横浜などから流山に移住された子連れの家族の写真をまん中に
「母になるなら、流山市。」
「父になるなら、流山市。」
というちょー端的で明瞭なそのものずばりの広告をうっている。

冒頭にも書いた「流山って何所?」という質問の解が「柏と松戸の間」でしかなかったところが、「流山=子育てしやすい待ち」ないしは「子育てしたい町」に換えていったったのである。

また、この課では年に4回のイベントを開催している。
その中の一つに特筆すべきなのが「ナイトカフェ」
森の町というだけあって、緑に囲まれた良い施設があるようなのだが、ここにJazzミュージシャンを呼んで、涼しい夜お酒を飲めるイベントを催している。しかも託児スペースつき。
つまり、ママが夜でてって、良い音楽を聴いて、綺麗なイルミネーションに囲まれて、充実した一時を、子供を安全に遊ばせながら提供しているのである。
こいつぁ〜すばらしい。

このイベント実は一番最初は男性客を狙ってたんだとか、ところがイベント開催時の生の声をアンケートなどで集約した結果、子供の遊び場を作ったり雰囲気作りも女性に気に入って盛られるようにテーブルクロスにこだわったりと、粋な方向転換を次年度にスピーディーに反映している。

こう言った俊敏さや企画の合理性は、実は民間採用者が中心になっているところにタネがある。
ポイント3:6人体制のこの課の中で室長、広報官、臨時職員が任期付きの民間採用だという。
加えて、報道官、事務員、臨時職員は女性。
半数が民間出身で、半数が女性というバランスだ。
基本2年契約で、合意を元に5年まで最長延長可能だという。
初代の室長は半年だったが、2代目が4年と少し、3代目が2年ほどやって、現在の4代目は1年ほど務めているという。
それぞれメーカーのマーケティングをやっていた人や広告代理店の人や新聞者の人などだという。
室長は課長職相当の待遇だという。

これらの人達が基本的にコンサルなどに投げること無く基本計画と実行を自分たちでやって、事業を作り上げて行っていることが、継続性と目的達成性を高く維持し成果を上げている所以だと感じた。

広告などに毎年800万少しを使い、同課の年間予算が2000万ちょっと。
しっかりした人材と、明確な目的、そして予算の裏付けと継続性があれば確実に物事が動いていく。

環境が違う津市が全く同じ事を出来るわけでは無い。
だからこそ、コンサルに投げるのでは無く自分たちで作っていかなきゃ成らない。
庁内の課に民間人を採用することが状況を大きく変えると思う。
こんなコンパクトな町と対比すると700キロ平米もある津市は不利だと考えるかも知れない。
しかしそれはプライオリタイズの必要性はあるものの、ベットタウン的なプロモだけで無く複数の異なる展開が可能だというメリットでもある。

津市を知ってもらう。それは良い。でも津市の何を知ってもらう?物を売るの?観光客が来れば良いの?それとも企業を誘致したいの?あるいは名古屋通勤圏としてのベットタウン化を進めていくの?