2012年10月10日水曜日

行政視察報告:総合交通体系

 総合交通体系特別委員会の管外視察で、下関市と東広島市を訪れた。

下関市は平成の合併後人口30万を僅かに超えていたが、現在28万人に減少している。
平成23年度の歳入決算額は 125,306,782,435円歳出は 121,392,332,291円とこの辺も津市より若干多い程度で良く似ている。面積は716.17平方キロメートル

北九州に向かって新幹線や在来線そして高速道路が通っている関門海峡側がコンパクトに発展しているが山側というのか合併した地域は過疎が進んでいる。

東 広島市は人口19万人と津市よりも随分少ないが、面積は下関や津市の710.81平方キロメートルと大きく異なること無く635.32平方キロメートルあ る。ここも平成の合併で中心になる東広島市の周りにあった4つの町が合併して新東広島市になっており、山側の2町は2000人ないしは3000人規模の町 で過疎化が進み公共交通との接続が難しい空白地帯が存在する。

因みに財政力指数という数字があり、読んで字の如くその自治体がどれだけ財 政力があるかを示した数字がある。これが1を超えると自分のところでやっていけまっせ〜って事で交付金が国から下りてこない不交付団体になる。逆に1以下 数字が減れば減るほど交付税を当てにしないと自分の所だけではやってけませ〜んという度合いが高くなる。
下関市は0.544、東広島市は0.87、津市は0.74である。

23年度で受け取っている地方交付税は
下関が29511629000円
津が19995793000円
東広島が9169056000円

それぞれ人口割りをすると

下関は280062人で、一人頭105375円
津市は280887人で、一人頭71188円
東広島市は178653人で、一人頭51323円

をそれぞれ地方交付税として国から受け取っていることになる。
よーけもーた方がええんか、出来るだけ自立していくべきなのかは見解の異なるところだが。

さて、肝心のコミュニティバスと津市で呼んでいる交通弱者対策事業だが、いずれの市も頭を抱えているというのが、今回の訪問先において感ずるところだった。

免 許を返納した時点で病院や買い物と言った生活に必要な事象を解決していく事が極端に困難になるため、いずれの市の高齢者もぎりぎりまで運転しようとする傾 向にある。また基本的に自家用車による移動が生活の根幹にあるため公共交通機関は育たず、バス運営会社は助成無くして運営が成り立たない。

コミュニティバスの利用者の延べ人数とこれにかかる支出より一度の利用に対してかけている経費は

下関の場合利用者のべ22678人に対して5千84万かけて、一回利用当たり2242円
津市は8万人の利用者に対して1億2千万かけて、一回利用当たり1500円
東広島は1万5千人ちょっとに対して7000万ほどかけて、一回利用当たり4600円

と、場合によってはタクシー代を肩代わりした方が安くつくのでは?というような状態がコミュニティーバスの現実である。

公共交通の利用促進や啓発活動にも限界があり、車での移動を基本とした生活習慣が大きく変化させることは容易ではない。

い みじくも下関の担当者がこぼしたように、最終的に全く動けなくなれば介護支援という形に移行するなり、施設への入所という形に移行していくことになり、ま た高齢者用の軽車両などが開発され市場に出始めており、さらなる技術革新によって安全でありながら行動範囲を広げるための製品が排出されて来るであろうこ とを受けても、交通弱者のためにバスを運行することが大きく発展することは無いのかも知れない。


バスの運行と言う一点だけではなく、広く高齢者対策の他の事業との連携を視野に入れながら、総合的にどうやって高齢者の老後の生活を支援していくかを考えていかなくては成らないように思う。

法改正によって細切れのサービスを必要な要請があったときに対応していく在宅介護が可能になりサービス提供業者の仕事もやりやすくなると言う。

ま た市としてはさらなる要介護者の状況の把握と集約化、サービス効率の向上も念頭に入れたまちづくりが必要になってくるだろう。ターミナルケアという考え 方、すなわちどのように最後を向かえるのが「幸せなのか」、と言うことを考慮し、単に地元から上がってくる要望に応えるのではなく、むしろ公側から提案提 供できる仕組みを考えるべきなのかも知れない。

極端な言い方をすれば、バスを運行して、自分で買い物をして病院に行って独居を支えていっ た末に突発的な事象によって孤独死をしてしまったり、いよいよ動けなくなってから施設を探そうにも貯蓄無ければ財産も無く行き場が無いような状況を生み出 してしまうよりは、まだ動けて自分で判断が出来る間に、市側がより多くの選択肢を提案できるようなケースワークが出来るような形の方が、安心できる、「幸 せ」を提供できるのかも知れない。


またそれらのケアを実現するためにどのような事業者に現場を任せるのか、すなわち業務委託という形で誘致し実行してもらうのかと言うことも考えていく必要があるように思う。

確実にこの先20年ほどにわたって対応していかなければならない事象であって、かつ今のままではその状況に対応しきれないだろう分野だと改めて感じた。