郷土教育など平成28年第4回定例会報告

少々遅くなりましたが、昨年の12月に行われた最後の定例会に関して報告したいと思います。

因みに、今定例会から中継はUstream録画はYoutubeという事になり、画質が格段に上がったのと、利用が楽になりました。
web中継が行われる前から、今まで採用されていた独自のサーバーを構築した配信システムは前時代的だと反対していたのですが、今回の契約更新時に於いてやっと、4年越しの要望が通った形です。ま、良くなったんでこれ以上文句は言いません。

今回は

  • 津城の石垣の回収に関して
  • Uターン促進事業の今年の成果と今後の対応に関して
  • 子供が作る弁当の日に関する提案
  • ポイ捨て禁止および路上喫煙禁止条例の制定を求める提案
  • 郷土教育の充実に関して
の5点質問させて頂きました。

津城の石垣の回収に関して
熊本城の石垣が震災によって崩れました。
おそらくそれを受けてのことでしょう、松阪城が石垣の回収を進めることが新聞で発表されていました。
津城の石垣は大きくはらんでいて、いつ崩れてもおかしくないカ所がたくさんあります。
過去に調査は済んでいるので、いつでも回収を始めることが出来るはずですが、その後一向に対応が聞こえてこないので質問いたしました。

現在委員会を設置してどのように回収するか計画を立てているところだという答弁でした。
松の木の伸びた根がはらみの原因です。私は松を切った上で、お城を復元するべきだと思っているのですが、公園の緑地にある樹木の伐採は容易ではないという答弁でした。




Uターン促進事業の今年の成果と今後の対応に関して
昨年3月に国の特別予算でUターン対策の予算が割り当てられました。
その中で、就職のため新卒者が津市の企業に訪問するための渡航費用を助成する制度がありました。600万も予算を付けたこの事業の昨年の実績は1件でした。
今年は4件。増加はしたもののまだまだ少ない。
どうやら保護者に働きかける方がいいだろ言うという経験を元に、次年度も市単独事業として続けていくつもりだという答弁を頂きました。



子供が作る弁当の日に関する提案
竹下和男先生というかたがおられます。
私が読んだのは別の本なんですが、先生の本を読んだことがありました。
そして一昨年津P連の企画で津にお越し頂きお話を伺いました。
ほんと違って強烈な印象でものすごいメッセージでした。

今子供達が人に何かをしてあげて喜ばれるという経験が少ない。
弁当を作る事が出来るようになる=自分の時間と労力を費やして誰かを幸せに出来る力
そして家庭を築いたときに同じ事を子供にしてあげられるかどうかが問題。
それが出来ない子達が親になるから、子供をあやめてしまうような親が出来てしまうんだ、だから不幸な子供達を生み出さないためにも、今子供達に弁当を作らせることが大事なんだと力説をされて行かれたのを今でも覚えています。

実は津市の大里小学校がすでに弁当の日というのを実践していました。
また、当時P連の研修会に参加した会長さん達の中には、是非我が校でも実践したいという意見を持って見える方が5名ほどお見えでした。
しかし、残念ながら現時点で、大里小学校以外に弁当の日の実践校が増えたという報告を聞いていません。

そこで教育委員会に後押しをしてもらえないかを尋ねました。

全ての学校で一律に実施は難しいかも知れません。
教員主導でも難しいでしょう。
しかし、現に過去のPTA役員とは言え実施を望む声があったのも事実。
PTAの役員は単年度で代わってしまうことが多いので、年度が替われば引き継ぎはなかなか難しい。
学校も保護者の希望があれば動きやすいはず。
ぜひ保護者の声を拾うところから協力をしてもらえないかという提案をさせて頂きました。




ポイ捨て禁止および路上喫煙禁止条例の制定を求める提案
四日市市が近鉄四日市駅周辺で路上喫煙を禁止する区域をさだめ、巡回員を配置し、違反者には罰金を科すという条例を施行しました。
12/1からです。
これは古くは十数年前に千代田区が同じような条例を施行し喫煙者のマナー向上を促す取り組みをしたのが最初です。

津市の状況を調べてみたところ
津駅東口のロータリー手前、ホテルの角から郵便局の角までの100m弱の区間に落ちているゴミを拾ってみました。
結果
吸い殻18個
ペットボトル1個
健康飲料の瓶2個
タバコの空き箱1個
ライター1個

を採取しました。
翌日朝7:30から8:30までの1時間路上喫煙の状況を観察しました。
11名の路上喫煙者がおり
うち1名は駅を出てから歩きタバコでホテルの前まできて、入口の茂みの前で捨て、足で消し、ホテルに入っていきました。
また6名ほどは裏口に入ってから歩きタバコをしているのが見受けられました。

まだまだ喫煙車のマナーが徹底されていないと思いました。
しかもここは通学路。
子供へのやけどの懸念もあります。

津市が路上喫煙やポイ捨てを禁止する条例を施行するつもりはないか尋ねました。

結果を先に言いますと、そのつもりはないとのこと。
周辺の方々には掃除をして頂いている関係で、路上は綺麗に保たれているという答弁でしたが、ボランティアの清掃だけに任せていいものかどうか、疑問が残ります。
捨てる人がいなければ清掃する必要も無いわけですから。

地域の人達の声も聞いて、望んでいる地域があるようであれば、施行して頂きたいものです。


郷土教育の充実に関して
津市の郷土教育に対する考え方を伺いました。
小学校3年生・4年生対象に「私たちの津市」という副読本が配られています。
これは市の教育委員会が作成したもので、最新の物は平成27年に作成し28年から使用されています。
対象のお子様が見える方は是非一度手に取ってみてください。
この冊子は学習指導要領の定めている「内容」に関してはきちっと網羅しています。
  1. 自分たちの住んでいる身近な地域や市について
  2. 地域の人々の生産や販売について
  3. 地域の人々の生活にとって必要な飲料水,電気,ガスの確保や廃棄物の処理について
  4. 地域社会における災害及び事故の防止について
  5. 地域の人々の生活について
    • 古くから残る暮らしにかかわる道具
    • 文化財や年中行事
    • 地域の発展に尽くした先人の具体的事例
  6. 県の様子について
ところがその前段にある「目標」を達成出来るような副読本になっているのか、質問させて頂きました。
特に目標の2番目
「地域の地理的環境,人々の生活の変化や地域の発展に尽くした先人の働きについて理解できるようにし,地域社会に対する誇りと愛情を育てるようにする。」
この点に関してです。

この副読本には「肉まんの製造工程」が4ページほど割かれて書かれていますが、
井村屋さんのことです。
井村屋さんがどのように肉まんを作っているかを知ること以上に
この会社が中国大陸や北米などに進出しているグローバル企業であること。
また、肉まんのスチーム機をコンビニなどに設置し暖かい肉まんを食べられるような環境を作る為に、衛生法の改正を進めた第一人者である事など
むしろ底を子供達に知らせるべきではないでしょうか?

そんなすごい会社が津にあるんだと言う事など全く触れられていません。

固有名詞を出すのは適当ではないからという理由でした。
津市には他にもおやつカンパニーさんもあります。これもグローバル企業です。
また、世界的シェアを持っているミシン針を作っている中川製作所さんやちょうつがいを作っている中尾製作所さんなど、津市が誇れる大企業が他にもたくさんあるのに全く紹介されていない。

これで目標2の「地域社会に対する誇りと愛情」が育まれるのでしょうか?

また小学校6年生では
古事記,日本書紀,風土記などの中から適切なものを取り上げること」と指導要領には書かれています。

日本書紀通称と呼ばれる日本書紀の解説本を書いたのは谷川清士です。この人は津新町の八町にいた方です。

この事も取り上げられていません。あろう事か教育次長にいたっては、日本書紀通称を書いたのは誰か?との問いに答えられませんでした。郷土の先人に対する認識の低さに愕然と致しました。

同じ時期に同じく国学を研究した本居宣長は古事記の解説書「古事記伝」を記しています。

なぜこの時期に、後に誰もこえることの出来ない研究をした人物が、津と松阪にいたのか。江戸や大坂ではなくこの三重の中勢地域に。

それは何よりも津と江戸を行き来する船が出ていたからです。ここに人と、お金と情報が集約される土壌が出来ていたからこそ、最先端の研究をする環境があったんです。双方共に医者をしながら生計を立てて、研究に没頭することが出来たんです。

津だから出来たんだという事実を教えずして、どうやって郷土の誇りを教えることが出来るんでしょうか。

もう一歩進んで中学生の歴史教育に関しても尋ねました。
ここの目標4には以下のような記述があります。
身近な地域の歴史や具体的な事象の学習を通して歴史に対する興味・関心を高め,様々な資料を活用して歴史的事象を多面的・多角的に考察し公正に判断するとともに適切に表現する能力と態度を育てる。」

身近な地域の歴史です。それを通して興味や関心を高めろと書いてあります。
そこで南北朝に関して教えることを確認した上で、
美杉の北畠家の事に関して教えているか尋ねました。

教科書に出てくる人物ではないので教えてないと答弁しています。
愕然としました。

北畠親房は楠木正成や新田義貞にならんで頑なに正義を貫き、旗色が悪くなっても南朝の正統性を訴え守り続けた義人です。その生き様を知ることこそが地域の誇りだと思います。
南朝と北朝の闘いの舞台は津市にも繰り広げられました。
北畠親房と共に伊勢の大湊から東北へ向かう際に嵐に遭って遭難して、結果無くなったのが結城宗広。その慰霊のためにたてられたのが結城神社です。

美杉の子達だけでなく、新津市になった河芸の子や香良洲の子や安濃や芸濃の子供達も、同じ津の子供として、津の地域に生きた先人の歴史を共通して学ぶためには、冊子になって手渡され、津の子なら必ず学ぶ共通する歴史がなければ、何時までたっても旧津の子は旧津の子、美杉の子は美杉の子になってしまいます。

幸いにして、商工会議所さんがあのつガイド会さんと共に作った「知っておきたい津」という冊子があります。
昨年10月に作られ市に寄贈されました。その時の新聞記事
各学校に配布されています。(各生徒でないのが残念ですが)
これは市教委作成の「私たちの津市」と比べて、とても良く出来た冊子です。

こういった冊子をもっと積極的に使って、津市の子達が津を誇りに思える教育を行って頂きたいと思っています。

「知っておきたい津」まだ見たことが無い方は、一度手に取られることをお勧めします。1400円ぐらいだったと思います。商工会議所に行けば手に入れることが出来ます。

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