2016年4月16日土曜日

地方創生、石破茂担当大臣の講義、自民党本部にて

自民党三重県連の第4期最後の政治塾で、自民党党本部にうかがい、石破茂地方創生担当大臣から、いま国が進めている地方創生の基礎をしっかり教えていただいてきました。

国で作られた法律が、地方に降りてくる段階で、その主目的が捻じ曲げられて、本来の意図が伝わらないまま執行されているケースが多くあります。

「10年計画、20年計画なんてもうとっくに作ってるけど?何いまさら地方創生の計画作れって。なんて声がありました。」
と大臣が言われてましたが、まさになんのための地方創生計画(正確にはまち・ひと・しごと創生総合戦略)なのかってことがわかってないからそうなるんですよね。

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大臣は冒頭に、「これは静かな有事である」と切り出されました。
国家は
国土、国民、主権
が守られて初めて成り立つのである。
これが侵害される時、あるいは侵害される恐れがある時、これを有事という。
外国勢力から国土が奪われる、まさに存立危機事態なわけですが、
今われわれが直面している
少子高齢化社会なんてのは単なる社会現象ではないんだ。
国民が減ることによって国家の存立が脅かされている危機的状況なんだ。
過去に田園都市構想、日本列島改造論、ふるさと創生
など有名な政策がとられたが、これらは皆人口が増え、税収が上がり、景気が良くなっている時代の計画であって、
今われわれが直面している事態はこれとは根本的に異なる。

理論上は今の出生率がこのまま続けば2900年には日本の人口は4000人になってしまうんですよ。
そうでなくても2040年には子供を産むことができる女性の数は今の半分になってしまうんですよ。

そんな切迫した状況を語られるところから講義が始まりました。

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日本の持っている財産をもっと生かして利益率を上げなければならない。
地域地域によって人口の増減、出生率の違い、平均所得の変動に様々な環境要因があって、理由がある。
それを例えば、保育所を作るのに国がお金を出したから、保育所がたくさんできて、結果出生率があがる、なんて単純なものではない。
だから霞が関や永田町が考えたって答えは出ない。
地元が地元を分析して、そこから活路を見出してほしい。

そのための総合戦略なんだ、と。

例えば
なんで国内の木よりも外材の方が安いの?
世界で一番古い木造建築物は法隆寺ですよ。
木造の10階建以上の建築物が建てられないはずないでしょ。
林野庁は建物に関心がなく、国交相は林業に関心がない。
木造の立派な建物の建築許可が下りない方がおかしい。

地震対策や林道網が密じゃないとか色々なエクスキューズがあるが
林業に従事する人たちの労働生産性はヨーロッパの半分以下である。

今までの政策に誤りがあったと言わざるを得ない。
だから変えていくんだと。

(筆者談)
ちなみに地方創生において規制緩和に応じることも国の責務になってます。
ひと まち しごと 創生法の3条3項には国の責務として以下のような記述があります。
3  国は、地方公共団体その他の者が行うまち・ひと・しごと創生に関する取組のために必要となる情報の収集及び提供その他の支援を行うよう努めなければならない。

つまり地域が仮に林業の活性化を望み、地元の重要な産業の一つとして収益化、生産性の向上をせさくの一つと捉え、その途中に障壁になっている法律があったとすれば、その規制を緩和することも可能であるということ。

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我々三重県、そして津市は
津市が生き残っていくために、どのような産業にどのような手を入れて、
市民の生産性を向上し所得を向上するか、すなわち「しごとの創生」の戦略を立てなきゃならないんです。
一つに絞る必要はなく、
今回の伊勢志摩サミットを期に、もっと観光サービス産業に投入すべきだと思うんです。
(ちなみに大臣が終わりがけに、デービット・アトキンソンの新観光立国論を読めと言われましたが、本日午後から三重県総合文化センターで、伊勢志摩サミット三重県民会議主催の第3回サミットフォーラムが行われ、この講師がアトキンソン氏なんですね。それで早めに帰ってくるんですが^^)

地域の産官学金労言が一緒になって戦略を立ててくれと大臣は訴えていました。

産官学は有名で、今まででも繰り返し言われてきました。産業、官庁、学識者ですね。大学とか。
それに加えて
金=金融機関、経済的アナレティックスを入れるのはマストだ と言われてました。そらそうですわね。地方経済の活性を図ろうというんですから。
未だに経済施策は国のやることで、地方自治体は住民の福祉が主目的で経済に関わりを持つ必要がないという思考から抜け出せない人が多いんですね。
地方自治体も地元の経済にもっと介入すべきなんです。

労=すなわち連合などの労働者との協力。働き方が変わらないかぎり経済はかわらない。
ましてや出生率を増やそうとしたら、ご主人も奥さんも、夜は家にいなきゃならないわけですよ。
日本人は家に帰るのが遅い。長時間労働からの解放もとっても重要です。
ちなみに大臣の例として
とある旅館が完全週休二日性を実施したとか。
メーカーでは当たり前のことがなぜ出来ない?
結果従業員の幸福度は増すわけです。
食べ残しに関してもしっかりデータをとって、ロスを減らす。企業が当たり前のようにやってきたことを慣習でやってない。感や経験だけでなくリサーチにもとづいた経営改善が必須だと。これは農業においても。

で、
言=地方メディア、言論。
結果的に地元の住民が巻き込まれなければ地方は蘇らない。
津市はこんな戦略でこんな街にしていきます。あるいはそれまでの段階でも、活発な議論が生まれるように、地方のメディアが地方の課題と、地方の未来を報道してもらう必要がある。
街が一体にならなければダメなんだとのことでした。

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「今までのままで大丈夫」
なんて誰が言えますか?
津市は消滅しないと思ってます?
財政調整基金も100億超えてるし?

津は江戸末期には学者も商売人も芸術家も集まる、もちろん官僚や公務員もたくさんいた大都市だったんですよ。
今は見る影もありませんがね。

誇りとプライドを持って津を生み変えねばなりません。長い眠りについたままの獅子をおこさねばなりません。

私はもちろん色々持論を持っていますが、私だけのアイデアでも不十分でしょう。
津にもっとお客さんが来るように
津の産業がもっと儲かるように
もっと潤沢な市税がはいり
住民の生活が守られるように
教育も福祉も
他の市よりも充実させられるように。

戦略を立てる必要があると思います。

そんな刺激を受けて帰って来ました。m(_ _)m