合計特殊出生率と物価と就職率と三世代同居率と保育所数


図1
九月定例会の一般質問で使った資料です。
質問の準備のためにwebを徘徊していて見つけた資料を基に可視化するためにグラフを作ってみました。

なかなか面白い考察が出来たのでblogにしてみようと思いました。

元ネタはこれです。pdfのデータなので読まれても良いかと思います。
地域別にみる少子化と未婚の関係
この資料の結論は、

  • 晩婚化を抑制すべきである
  • 経済社会面における明るい展望が必要

という二点でした。

その後、総務省統計局より入手した全国物価地域差指数のデータから物価指数をさらに加えてみました。

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グラフの説明
図2

合計特殊出生率を棒グラフにして数値の高い方から低い方へ並べました。
その上にそれぞれ
就職率
三世代同居率
保育所数
物価指数
を折れ線グラフにして乗せてみました。
ただ、それぞれ数値の単位がバラバラなので、各偏差値を出してから比較しました。
これが図1です。

で、単純に今度はそれぞれの偏差値を合計してみました。
ただ、物価指数は低い方が良い影響を与えるため、就職率、三世代同居率、保育所数の合計から引き算しました。
グラフは上がり下がりが激しいのですが、これにトレンドラインというのを引いてみると「概ね」合計特殊出生率の傾斜とにた傾斜のラインを引くことが出来ました。
4つの数値が少なからず出生率の高低と関係があるという事では無いかと思います。

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グラフの考察
さて、
沖縄が突出して出生率が高く
東京が突出して低いわけですが、

東京
東京の場合は就職率は高く(といっても愛知に次いで2位ですが)多くの人が仕事を持っていますが、何よりも物価がダントツで高い。
保育所数も低く、三世代同居率も低いので、保育の手助けになる要素があてになりません。

結果東京に住む人達は「ここで子供を育てるのは難しい」と感じるのかも知れません。

沖縄
沖縄は一方で、就職率も低く、三世代同居率も保育所数も低いが、物価が圧倒的に低い。
そして合計特殊出生率は他から飛び抜けて高い。

やはり経済的事情が何よりも一番大きな影響を与えると言う事でしょう。
就職率の低さはもしかしたら男女別で出すべきなのかも知れません。
無職で子供を産んでいるとは思えません。
もしかしたら沖縄では、現在高嶺の花のような存在になってしまった専業主婦の率が高いのかも知れません。
物価が低いので旦那の給料で充分やっていける。だから保育所も要らないし、三世代同居でなくても子供の面倒をみることが出来る。

たった今共働き率を調べてみました。圧倒的に低いわけではないですが、やはり沖縄は40位。共働き率は低いです。

宮城、鹿児島、熊本、佐賀&京都、神奈川、大阪、千葉
物価の影響は他の所でも大きく、
宮城、鹿児島、熊本といった九州勢は物価が低く
三世代同居率や、保育所数、就職率の差でグラフは大きく振れ、地域差はありますが、いずれも出生率が高い。
同じく関東圏等の都市圏である
京都、神奈川、大阪、千葉
はいずれも出生率の低い方に位置しています。

秋田
そんな中出生率の低い方でのイレギュラー的な存在は
秋田
物価は低く、保育所数も三世代同居率も高いのに、出生率が低い
考えられるのは、あわせて就職率も非常に低いという事でしょうか。
物価も低いけど仕事も少ない。そこに原因があるのかも知れません。

奈良
グラフの隣にある奈良はもっと悲惨で
物価は兵庫と同じぐらい高いのに、就職率がダントツで低い
保育所の数も少なく三世代同居率も低い
先立つものも整わないし、育てる時の支援も希薄
とても子供を育てにくい環境にあるのかも知れません。

福井&島根
出生率の高い方でイレギュラーなのが
島根と福井
島根は保育所数が非常に高く
福井は三世代同居率が非常に高い
間にはさまれる九州勢に比べて物価は高い。
島根はそれほどでもないが、福井は就職率も高い。

福井は工業地帯もあって、働く場が沢山あるんでしょう。
夫婦は共に外に出て働く。
家では祖父母が子供の面倒をみる。
そんな仕組みが出来上がっているのかも知れません。

因みにグラフ化はしていませんが、福井は学力の高い県で有名。
塾の数は少なく、みな家で祖父母が子供の宿題や勉強を見る。
そんな家庭学習の環境が高い学力をつける背景にあるのではないかと考察されています。

他学力上位の県の秋田、青森、富山も三世代同居率が高い方。

一方島根。
保育所数が非常に多いし、出生率も高い。
ただ、島根は全国でダントツに財政力指数が低い県として有名。
財政力指数というのは、どれだけ自分の自治体の中だけの税収でやりくりできているかを示す数字です。1を超えると国からの交付税無しでやっていける自治体。
島根は0.24。逆に3/4を国に依存している。国からお金をもらわないとやっていけないという事。

保育所が多いからと言うわけでは無いですが、ちょっと自治体運営的に苦しい県です。

三重
愛知県は就職率が一番高い。だからその三重も就職率は高い方。
鳥取県が三重とほぼ同じぐらいの物価で、就職率。
ところが保育所数も三世代同居率もずっと高く、
出生率が三重より随分高い。

逆に岐阜なんかは三世代同居率は高いんだけど保育所の数が少なく、
出生率は三重よりいくらか少ない。

物価と就職率が高く
保育所数も三世代同居率もバランス良く地域事情に合わせて整備されていることが必要なのでしょう。

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考察から導き出されてくる結果は別段目新しいものではなかったのですが、
改めて
経済の影響の大きさ
そして
環境の整備の必要性を感じました。

あとこれから三重、および津がのばすべき所は
三世代同居の数を増やすことなのかな、と思いました。
学力との関係はもとより
やはり同じ建物の中でなくとも、近くに祖父母が居ることは
母親にとっては非常にありがたい助けになる。

津は物価も安く、土地も安い。持ち家率も高く、やはり子供を育てやすい環境に分類される。
愛知に依存はしているものの、津の就職率も決して悪くはない。

どうせ家庭を持って子供を作るなら
生まれ育った津に戻っておいでよ。

というUターン施策を進めることが
津にとって、
出生率を増やしていく選択肢なのではないかと思いました。





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