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11月, 2014の投稿を表示しています

子どもの楽園

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逝きし世の面影 という本に魅了されている。 江戸末期から明治初期にかけて日本を訪れた外国人の手記を比較検討し、カテゴリーごとにわけそれぞれの観察者の視点から当時の日本人の生活、姿を映し出そうとしている書籍である。 有名な本らしくおそらく読まれた方も見えるだろう。 今日目を通した章の特に第十章「子どもの楽園」は色々考えさせられる内容だった。 ********************************* 当時の日本のおかれていた「封建社会」と呼ばれる社会構造の中では、 下層の住民は上層の住民に隷属され搾取され苦しんでいるかのように語られることが多く、また西洋における封建社会においては全くその如くだったのだろうと思う。 ところが、封建社会を革命によって打ち破り民主国家を作ったと言われるフランス人の手記もこの中に含まれ、他イギリス人、ドイツ人、ロシア人、様々な手記が引用されるのだが、いずれも日本の農民および一般の民衆が非常に「自由」であり、大凡下層とは思えないほどに自らの社会のことに関して自主的に統治する権限が認められており、その決定方法はいたって「民主的」であることに驚いている。またどの顔も楽しそうであり無邪気であり幸福に満ちていると記している。そして彼らはその現実を目の当たりにしに少なからず驚きを表している。彼らの知るヨーロッパ的な封建社会の実情とは随分異なるからだ。 他の章になるがむしろ武士の上層階級の方が堅苦しい規律などに縛られて不自由にみえると言うのであるから面白い。 ************************* さて子どもに関してである。 とにかく日本の社会は子どもを溺愛していると記している。それが下層の子どもであってもとても大事にされているという。 どの階層においても子どもを自由に遊ばせ路上を裸では走らせるままにしており、どれだけやんちゃを働いても叱責するようすが見られないという。彼らほど愉快で楽しそうな子どもはヨーロッパにはいないとまで言っている。 ポルトガルの宣教師ルイス・フロイスは「我々の間では普通鞭で打って子どもを懲罰する。日本においてそういうことは滅多に行われない。ただ言葉によって譴責するだけである」と言っている。 また子どもが転んで痛くしたとか、

発言の順番

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昨日午後一時半に抽選議運というのが開かれまして、 代表質問と一般質問の順番を決めるクジが引かれました。 私は最後から二番目 12月5日の午後1時からという事になりました。 順調に進んで何も番狂わせがなければの話ですが。 今回は 有害図書に関して 市街地の活性と津なぎさまちにかんして それから 「動かない救急車」と言われる現状について の3つを取り上げる予定です。

宜野湾市と嘉手納町:沖縄視察報告02

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色々な理由で躊躇し投稿されないままの書きかけの記事がある。 時機を逸し続けてきたが、やはりアップしておくべきだと考えた。 先月20,21,22日に会派視察で沖縄に向かった際、県の港とは別に嘉手納町と宜野湾市に訪れた。 その時の感想を記す。 基地問題を語るなんて事は私のような一塊の市議にはとてもハードルが高く、またおこがましいこととだと思う。 しかし一点、宜野湾市の市長の言葉がずっと心にのしかかっている。 一語一句正確に覚えているわけではないので誤りがあれば申し訳ない。 「沖縄はことある事に注目される。そして色々な人が来て色々な持論を主張していく。しかし沖縄に住む人の事を考えての発言は少ない。自民党も含めて」 という内容だったと記憶している。 自分の政治主張とPRの為に沖縄を、基地問題を「使ってきた」人が多かったのではないだろうか。 私は沖縄に住む人の本当に望んでいることを知っているわけではない。持論を展開できるような立場ではない。 しかし沖縄を「使ってきた」と言われる人の顔は幾つか思い浮かぶ。 宜野湾の市民が望む安全の確保にまた新たな影が落ちたのかも知れない。市長と周辺住民の憂いが解消されることを願ってやまない。 宜野湾市 宜野湾市が要求するのは一貫して普天間基地の返還だ。町のど真ん中に位置する基地は不自然なドーナツ型の町を作り自由な横行と利便性を阻害しているという。 確かに基地の裏側にある街に行くにも一本しかない周回道路をまわっていくしか手立てがなく、多くの場所で道の拡幅も難しい状況にあった。T字路が多く恒常的な渋滞に見舞われている。 宜野湾市の人口密度は東京よりも高く、人口は増加傾向にあるらしい。にもかかわらず公民館などの住民サービス施設を建設する場所もない。 薄氷の上を渡るように慎重に進めてきてやっと積み上げた結果が、先の騒ぎで一気に崩れ去った。 問題の原点は普天間の基地をとにかく移転させなければならないという事のはずであると市長は語った。 周辺住民の安全の確保と経済的基盤整備のために基地を移転させることが何よりも重要な課題であり、いたずらに政治問題化しないで欲しいという事なのだろうと認識した。 今の移転先に問題があるというのなら他にど