津市の財政ってどうなってるの?

この間名古屋に2日がかりで財政の勉強に行ってきた。
で、そこで習ってきたのが決算書の見方。正確には決算カードって言って項目別に分けた数字の羅列の表があるんだけど、それを経年で比較してみると傾向が見えてくるよって事。

合併前のデータも津市の場合は10市町村あるのでかなり膨大で手つかずなんだけど、取りあえず合併後の物だけ少し触ってみた。で、出来たのがこのグラフ。

上から順番に
人件費:その如く給与などに支払われる経費。
扶助費:福祉的経費で生活保護とかここに入る。ちなみに生活保護の24年度当初予算では5億も増える。
公債費:借金の返済に充てられた経費。
物件費:その如く建物など
維持補修費:同じく道路や建物の補修
補助費:助成金などがここに入る。
繰出金:行政には一般会計と特別会計ってのがあって、特別会計に繰り出される経費。詳細後述。
積立金:基金などに積み立てるため
投資・出資金・貸付:貸したお金
投資的経費:基本文字通り先行投資の為に使われる「はず」の経費。

公務員の人件費ってのは最近ちまたで良くターゲットにされる数字。津市ももれなくその世相に乗っかって人件費を減らしてきた。だからずーっと右肩下がり。でもよく見て欲しいのがそれに比例してじわじわ上がってくる物件費。実は臨時職員を雇った賃金はこの物件費に含まれる。ま、物扱いなわけよね。言い方悪いけど。臨時職員ってのは役所の中にもいるし、保育園の保母さんなんかは津市の場合半数以上臨時で雇ってる。だからボーナスでないし毎年更新で安定した収入とは決して言えない。でもいずれにせよ実質は人件費に充てられてる。だからグラフに現れるほど激減してるわけではない。

面白いのが21年における補助費の突発的増加と22年から跳ね上がる扶助費。
前者は麻生首相のやった定額給付金、22年は現政権のこども手当。
国は勝手なこと決めてくるけど実質地方もその一部を担わされて、各自治体が好もうが好まざるが大きな影響を被る。結果余裕があるときにプールしておけるはずの積立ってのがガクンと減ってる。僅かだけど貸付なんてのも減ってる。利息を付けて返してもらえるはずの部分だからある意味やりくり的な部分だけど、疲弊すればするほどこういう物が減ってくる。

 維持補修費なんてのもこれから僅かながらでも減ることは考えられない経費。合併まえに方々で作られた駆け込み建築物の数々。これらは近々改修が行われる。また旧市町の中には保育所だとか学校だとか結構補修がほったらかしにされてた所とかあって、順繰りにこれらを直してきてる関係で、とにかく減る見込みは見あたらない。

で、この繰り出し金ってヤツ。こいつもなかなかくせ者。
市の会計には
一般会計ってのと特別会計ってのがある。
右のグラフは今回24年の一般会計予算の中から「操出金」のキーで引っ張ってきた値を操出先と合わせて記載してグラフにした物。実は操出総額として一般会計で示されてる額と私が抽出したそれぞれの額の積み上げと微妙に違うんだけど、ま、おおむねあってるんでエラー探しは先送りにした。

これ事業内容とその運営状況を特別に分けて見る必要があるため、別会計にしてあるって事のよう。

ともあれ下水道に飛び抜けた額繰り出されてる。理由はまだ聞いてないけど、いずれにせよ払われてる下水道料金なんかでとてもじゃないけどまかなえないのが実状なんだという事だろう。あと目立つのはやっぱ介護保険、後期高齢者、国民健康保険ってな所か。
これらは本来なら一般会計の扶助費に当たるところ。扶助費と合わせてこれらの特別会計への操出を考えると、ま〜予算の中のとてつもなく膨大なパーセンテージを社会福祉関係に投入してるって事が良く解る。

また今回の予算における投資的経費としてくくられている事業の内訳には「公共施設の耐震化事業、消防車両の購入事業のほか、道路新設改良事業、公園整備事業、学校施設の大規模改修事業」と書かれている。もちろん投資的経費として計上して構わない事業であることには代わりはないんだろうけど、本質的に「投資」に当たるのかという見方をすると、上述の物一つとしていずれ経済的利益をもたらしてくれる物とはとても言い難い事業ばかり。

果たしてこの国も市も未来を作っていくつもりがあるのか・・・と労働子育て世代の私なんかは最近特に思うわけであります。


**************** 補足 ****************
グラフに単位が書いてなかったけど0をみっつ足してね。つまり1桁目は千円の額。だから下水道の操出なんかは500万じゃなくって50億って事で

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