2011年6月25日土曜日

引き際

危機管理部長は気の毒だと思う。今回はいわば格好のターゲットだ。
震災後の初めての定例会のため、各会は最低でも一人は震災のことに触れる。

今回私は90分頂いた質問の時間の7割から8割を防災関連の事項で費やした。
本当は半々で残りの案件も追究したかったのだが、時間が全然足りない。

ともあれ私は危機管理部長をかなり激しく追究した格好になった。

例えば、敬和公民館は公式の避難所であるために備蓄品が用意されている。
ここは定員160名。
実際ここで160人避難して長期的に避難生活が出来るのかは全く別の議論なので取りあえず置いておいて、
ここに用意してある発電機は850ワットでガスボンベ2つで2〜3時間しか駆動できない物。
300ワットの投光器が2個しか使えない。

発電機があると言うことは当然停電時を想定してのこと名わけだが、160人に対して投光器2個が3時間点灯していったいなんの役に立つ?

百歩譲ってその場しのぎだとして、大型の10kWのディーゼル発電機(免許が要らないため今回の震災でかなり多く使用されたらしい。現時点でも需要に対して供給が全然間に合っていない状態で手に入らないらしい。)を手配できる準備は出来ているのか?

との問いに出来ていないという返答。

事前に協定書を提出してもらっているので津市が何処にどのような災害協定を行っているか当然私も読んで知っている。

どの協定書を読んでも具体的な品目、及び数にまで言及していない。

トイレに関しても尋ねた。
食事は3日食べなくても我慢できる。トイレは1日我慢できない。場合によっては30分でも辛い。そして何処でも所構わず処理できる物ではない。阪神では大きな問題になりそれだけのために何冊も本が書かれている。その一つが私の情報源だった。

現在津市の備蓄は簡易トイレと凝固剤。ビニールをかぶせて使ってください。凝固剤を入れて固めてから捨ててくださいという物。

凝固剤が無くなれば当然水分が流れ出る物を括ってどこかに放置しなければならない。

避難生活が長期化する場合は遅かれ早かれ仮設トイレが必要になる。

そもそも簡易トイレであろうが仮設トイレであろうが通常のトイレが使えない状態はすなわち長期的な避難生活が必要なケース。

にもかかわらず簡易トイレに関する協定書も存在しない。

今のままでは地震が起こってからその必要性に気付き、慌てて手配に回る。でも東南海地震であれば被災地は津だけじゃない。何処に頼んでも手配できなくて、被災地では何日も何週間も場合によっては何ヶ月も、トイレも電気も無い状態に置かれる可能性がある。それが今の危機管理部の現状。

もちろん震災後被災地に職員も送って現場を見てきてもらっているらしい。それを元に現実に即したマニュアルを作ることに注力しているらしい。消防からの出向の課長も現場を知るだけにセンスも良く色々調べていた。なんにも仕事をしていないとは言っていない。ただ圧倒的に仕事量に対して人員が足りない。プロがいない。

ド素人の私が現場を見たことを基礎にして一月ほど勉強しただけでも予測できる事が山ほどあるのに、そのようなことに対して全く対処されていない。

震災前のデータを元に作った市の作った冊子によれば東南海地震が起こった場合には3から6万の被災者が出るという予測。

阪神の経験則から75人に一基トイレが配備された時に苦情が止まったという。かりに100人に一基で5万人の被災者だとすれば500基必要である。
平均的な仮設トイレであれば11とんとラックに乗せられるのは10個。だとすれば50台の11トントラックを仮設トイレだけのために準備しなければならない。

このことも部長は答えられなかった。

こんな物は事前に協定書を締結しておいて、震災でてんやわんやの現場がわざわざ連絡して発注しなくてもメーカーが調達してくれるような約束事をかわしておかなければ絶対に手配できない。

現実今回の被災地の中で上述のような協定を結んでいたところが存在し、国がトラック手配にもたもたしているのを尻目に、既に準備されていた支援物資配給の表示を持って堂々と被災地に震災直後に入っている。

準備をしていた自治体としていなかった自治体との差は歴然。

ここまで危機管理部の準備不足を追究した後、
災害メールの多言語化の実施を要求した。
津市にも災害発生時に通知されるメールサービスが存在する。
周知がされていなくてwebでもヒットが無く、広報不足にも言及したが、とにかく外国人集住地区の津において多言語での緊急時の情報発信が存在しないことは、誤った情報による混乱を招く恐れがある。

現実今回の震災後、津に事務所があるポルトガル語で発信するwebニュースサイトにブラジル人の方から問い合わせがあった。「ちょうど一週間後の日曜日に東海地震が起こるという情報を聞いたが本当か?」という物。我々なら一蹴しそうな話だが、当人は真剣だった。知らないことは恐怖を生む。恐怖は暴走する。だから正しい情報発信が不可欠。

現在既にサービスが存在するわけだから、新たなシステムを構築する必要はないはず。すぐに取りかかる事の出来る案件だ。
そこで何時までに出来るかと尋ねた。

早急に調べた上で出来るかどうか検討する。という定型文での返答。

今日やれ!というヤジが飛ぶ中、二度三度押し問答をし、最終的に私が期限を付けて九月議会までに出来るか?と突きつけて、市長からも助け船を出してそこまでは追究しないでくれと言ったが、最終的にはやりますと部長に言わせた形になった。

これは議事録に残る。つまり出来なければ責任を追及される。
 だから執行部の人間は明確な回答を出来るだけ回避しようとするようだ。

だから私が時間制限を付けて部長に無理矢理承諾させた事は彼らにとっては一番厭なことをされた形になる。

年配の議員からも他の職員からも言われた。最後まで首を絞めてしまわないで、上手く引き際を作って助け船を出してやらないといけない。と。
どうも議員も執行部も相互にその辺を理解していて、あうんの呼吸があるらしい。
そんなこと私は知らない。ハッキリ返答をもらわないとyesなのかnoなのか私には分からない。

ただ、部長からも私が他市において多言語で防災メールを発信するシステムが既に存在することに言及した事から、情報提供して欲しいと言われた事もあり、私も期限設定を押し切った以上はシステム完成まで最大限の支援をするつもりだ。

それは議員の仕事じゃない。執行部の仕事だ。という人も多分いると思う。
私は異なった見解を持っている。
webシステムやプログラミングは私の専門分野でもある。だから実態調査や実行可能かどうかの調査にいくらも時間がかからないことを知った上であえて時間制限を強要した。

私はただ単に闇雲に無茶な要求をするつもりはない。
そして仕事を執行部だけに押しつけるつもりもない。
だからその場しのぎの不明瞭な返答は受け付けない。
そして時間制限を私が突きつけた以上はそれに間に合うように私も責任を持つ。
そうしないと仕事は先に進まない。

そう思っている。